総合文化誌KUMAMOTO 第43号発売中

一般社団法人くまもと文化振興会/発行

定価 800円+税

2023年6月20日発行

目次

 

 

くまもとの街並み 芦北町  写真・文 鈴木之夫

アーティストの主張 風景が見える  稲原豊命

はじけるような絵、輝くばかりの油絵  永田富江

環境が育ててくれた感性  宮崎康親

私の一枚 一夜干し  下田照美

巻頭言 生の額絵  早田章子

私の文化論 日本の誇れる鯨食文化  下鶴容子

メスキータ神父とイチヂクの天草伝来  玉木譲

歴史随想 過去の匂い、あるいは漱石覚書  櫻木半治

いれずみ文化 

 愛憎のいれずみ  小野友道

窓 棚田発電(水力発電)で棚田の景観を守る  兼瀬華英

 

 特集 6・26水害から七〇年、どうして水害を防ぐか?

 1953(昭和28)年6月26日、熊本市は白川、坪井川などが氾濫し、大水害に見舞われた。多くの人が死傷し、家屋はつぶれたり泥の中、通りも瓦礫の山で埋め尽くされた。それから70年。二度とあのような大水害をまねかないために国土交通省をはじめ人々は様々な努力を重ねてきた。〝水害をどうして防ぐか〟には正反両面の意見があり、それを闘わせることが今必要ではないのか。

 

 昭和二八年西日本水害の記憶  辻泰明

 6・26水害から七〇年、これまでの取り組みについて  江口秀典

 今、6・26水害が来たら白川と立野ダムはどうなる?  緒方紀郎

 ダムは、豪雨時に洪水軽減とは真逆のことを行なう  田中信孝

 瀬戸石ダムの問題点  土森武友 

 

クマモトを読む

 『相浦忠雄遺稿集』復刻版について 相浦忠雄『相浦忠雄遺稿集』/河野文夫

美術のこみち 

 「水俣」をめぐる  永田郁

自著を語る

 「ラブレターのような熱い一冊」と五木寛之『いつも隣に山頭火』/井上智重

はじめての木村祐章

 民俗学の実践―『肥後昔話集』 木村兄弟(史彦・理郎)

漫画談義

 マンガ収蔵施設がピンチ

  ―熊本のマンガアーカイブ構想は頓挫してしまうのか  橋本博

 

 特集 団塊の世代は訴える

 昭和22~24年生れを「団塊の世代」と呼んでいる。敗戦直後ということもあって、この世代の人口は極めて多く、小学校でも一学年約300名もあった。今、この世代の人々は70歳をこえてはいるが、様々なところで活躍もしている。ここでは「団塊の世代」の人々のほんの一部をとりあげ、その思う所を述べて頂いた。世の中はすでに団塊の世代二世の時代。二世も読んで欲しい。

 

 進歩か退歩か―団塊世代の嘆き節  坂本正 

 どうする断捨離  坂口博輝 

 団塊の世代は訴える??  境正子 

 我がカンボジア人生泣き笑い  谷川政敏 

 若い会員をのぞむ  近澤眞人

 団塊の終活 青春の京都をさまよって  徳永修 

 マンガ家さんにもっと光を  真樹操 

 WBCに思う  古賀一正 

 際限なき軍拡に未来を託せるか  首藤正幸

 

近代熊本とキリスト教(2)

 熊本洋学校とジェーンズ、熊本バンド(上)  藤本誠

読書ノート

 一〇九年の軌跡、八千代座組合解散記念八千代座組合発行『八千代座と組合の歴史』/木村理郎

小説 色無し  あびる諒

「文学の森大賞」を受賞して  永田満徳

記念館の復旧状況について  熊本市文化財課

犬にかまれて ホストクラブのスター  稲原豊命

熊本の伝統料理 

 熊本藩士の料理集より「鯛ふわふわ」と「硴ころはし」  戸次元子

映画にキッス 山崎けいの シネエッセー&映画新作紹介

創るシネマ 司法の重い罪を厳しく断罪!『BOX袴田事件命とは』  上田精一

獣医師から見た動物と人間たちの関係(二)  大門由美子

江戸時代の熊本の医学(3)

 村井椿寿(号・琴山)による薬品会の開催  松崎範子

医療相談室 

  小児科  駒木智     循環器科  大嶋秀一   

  歯科  大塚昭彦 

 

 

政治の真実を求めて 郡部の高校は減り、熊本市に一極集中する教育行政は誤り!  野田邦治

新聞時評 TSMC進出の光と地域差拡大  平野有益

行政に喝 「公」としての役割、責任の再確認を  中島熙八郎

法の烽火 孤立出産は死体遺棄罪?(第三回)  松野信夫

表紙絵画/神野大光